2013年8月19日月曜日
格闘技選手に特に注意してほしい感染症:新型水虫菌について
最近、柔道、レスリングをする人たちの間でカビ(新型水虫)の病気がはやっています。
「トリコフィトン・トンズランス」という皮膚真菌症、いわゆるタムシの感染症で、欧米から2000年頃に日本に持ち込まれ、主に上記の格闘競技選手間での 集団感染が多く見られるようになりました。この菌は感染力が強く、一度感染すると治りにくいと言われています。ただ、最近になって、治療法も確立してきた ので、正しい知識を持って治療・予防すれば怖い病気ではありません!
水虫菌(白癬菌)はヒトのアカ、毛、爪の蛋白を食べて生存します。トリコフィトン・トンズランス菌に感染すると体部と頭部に症状がでます。
① 体部白癬…顔、首、上半身に1〜2cmのピンク色の斑ができる
② 頭部白癬…フケやかさぶたができる程度の軽い症状から、膿が出て脱毛を生じるものまである
集団感染の予防としては、
① 道場や自分の部屋は毎日よく掃除をしましょう。菌は毛やアカの中で半年間生存します。
② ユニフォームや道着はよく洗濯する。
③ 練習直後にシャワーをし、頭・体を石けんでよく洗いましょう。トリコフィトン・トンズランス菌の体内への侵入速度は速いので、練習後できるだけ早くに行ないましょう。
④ 部員同士でのモノの貸し借り(特に帽子やタオル等)はやめましょう。
試合中〜試合終了後、合宿中に全員で抗真菌剤入のシャンプー(フルフルシャンプー)を使用することで、かなり改善するようです。
また自分の皮膚に触れても安全な新型水虫の除菌・消臭スプレー(トンズRAQ)も売っています。
万が一症状が出てしまったら専門医に相談、治療して下さい。その際、「格闘技を行なっているので、新型水虫かどうか調べてほしい」と言いましょう。 症状が普通のタムシと違い、誤診されやすく、ステロイド剤を処方されると重症化してしまします。きちんと治療しましょう。
インターネットでは、夏休みに格闘技をやっていた従兄弟宅の畳から感染した女子中学生の症例や、数年前まで柔道をやっていたお母さんから、10ヶ月の赤 ちゃんに感染した例も見られました。特に10ヶ月の赤ちゃんは脱毛が認められ、治療も飲み薬が使えないので治りが悪く、塗り薬で経過をみているようです。
症状が軽いので無自覚な選手も多いのですが、家族、恋人等の大切な人を守るためにも、感染を拡大しないよう、努めましょう!!
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