2010年1月27日水曜日

ライフスタイル改善プログラム≪メールマガジン第3号≫

スポーツ医学研究センターでは、ライフスタイル改善プログラム参加者に向けて、メールマガジンを発信しています。
小熊祐子准教授を中心とし、管理栄養士の橋本玲子先生、スポ研スタッフ、スポマネ大学院生が持ち回りで、運動や食事に関する『健康的に過ごすため』の役立つ情報を配信しています。

プログラム参加者以外の方にもとても有用な情報ですので、
こちらのブログにも転載します。

このメールマガジンは2009年4月に配信されました。


**ライフスタイル改善プログラム≪メールマガジン第3号≫**

桜の花も咲きそろい心踊る頃となりましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。最近はかなり暖かな日差しが差し込むようになり、これから運動を始める方には心地の良い季節かと思います。


今年からスタートしましたメールマガジンも今回が3回目となりました。前回までの小熊先生、橋本先生に引き続き、今回からはスポーツ医学研究センターのスタッフまたはプログラムに参加している学生が、気になっている情報を提供していきます。
少しでもお付き合いして頂けたら幸いです。よろしくお願いいたします。
今回は、立ち上げ時からバックアップのスタッフとして参加していた松尾から報告させてもらいます。内容は、皆様にご協力を頂きましたフォローアップ調査の結果をもとに、昨年1年間続けてきた本プログラムの効果について報告したいと思います。


生活習慣改善プログラムの参加状況について(2009年4月当時)
このプログラムは2008年1月に開始して、現在、約1年3ヵ月が経過したところです。これまでこのプログラムへエントリーして頂いた方は20名になります。そのうち、実際に本プログラムへ参加した方は全体で16名になります。内訳はスポーツ医学研究センターまで通ってプログラムを実施して頂いた通所群の方が7名、インターネットを利用した遠隔通信にてプログラムを実施して頂いたIT群の方が9名となります。皆様には貴重な時間を割いて参加して頂き、本当にありがとうございました。


生活習慣改善プログラム実行後の結果について
昨年末までに多くの方に、プログラムを終了してから3ヵ月後の追跡調査(『3ヵ月後のフォローアップ調査』)に協力して頂きました。以下にご報告する内容は、その調査に協力して頂いた方々の結果をもとに、プログラム開始前とプログラム終了時、そして3ヵ月後のフォローアップ調査から収集した値を平均化して各群(通所群とIT群)の効果の違いを見ています。そして計測結果として説明する項目は、検査時に測定した体重、1週間装着して頂いたライフコーダで計測した歩数(1週間の平均)、1日の摂取カロリー(対象3日間の平均)の3項目となります。







(1) 体重変化について
 まずは体重変化について以下のグラフに示します。





プログラム開始前に測定した値を基準として、通所群の方は平均でプログラム終了時までに約2.1kg、終了後3ヵ月までに約2.9kgまで減少していることが分かりました。IT群の方はプログラム終了後までに約1.9kg、終了後3ヵ月までに約2.6kgまで減少していました。
変化量につきましては個人差がありますが、参加者の平均で体重変化を見るとどちらのプログラムに参加しても効果的に体重が減少できていることが分かります。



(2) 1日の歩数変化について
 ライフコーダで測定した1日の平均歩数について以下に示します。








こちらもプログラム開始前の値を基準として、通所群の方は平均でプログラム終了時までに約4,500歩、3ヵ月後にはやや増加幅が減ってはきたものの約2,400歩増加していました。また、IT群の方はプログラム終了後までに約1,800歩増加、その後平均歩数は概ね維持されています。
参加者の平均として歩数変化を見ても、プログラム実施後は効果的に歩数が増えていることが分かります。今後も引き続き、これまでと同じように運動量維持に努めて頂ければと思っております。



(3) 摂取エネルギーの変化について

 対象期間に摂取したエネルギー量の変化について以下に示します。測定方法は参加者の皆様から頂いた1週間分の食事記録をもとに代表的な3日間の食事記録を取り出してエネルギー計算を行い、それらを平均して1日分の摂取エネルギーとして示しています。






摂取エネルギーについて細かくみると、非常に個人差が大きく、またその日の体調などによって状況が変わってくることもあるため、非常にばらつきが大きいことが分かりました。また摂取エネルギーは個人の体格差によって値が異なってきます。そのため上記のグラフのように平均化して読み取ることは大変難しいところではありますが、全体的にプログラム開始前と比較すると、3ヵ月後のフォローアップ調査までに摂取エネルギーが減少していることが分かります。これはプログラム終了後も皆様が食生活に気をつかい、全体的にバランスの取れた食生活が行われていたことを推測することができます。


以上が今回の調査結果から読み取れた内容となります。
通所群、IT群ともにそれぞれのプログラムを実行して頂くことによって、全体的に効果が出ていることが分かりました。今後はこのプログラムがきっかけとなって、皆様が少しでも健康的な身体を維持されて頂ければ幸いです。


また現在、プログラム開始から1年後のアンケートを順次お願いしております。
2年後には以前と同じ採血や体力測定を行わせていただく予定です。
是非末永くお付き合いして頂ければと思っております。


■  最後に
これまでは昨年1年間に皆様にご協力して頂きましたプログラムの結果について、各個人にご報告させて頂きました。そこで今回のメールマガジンでは、このプログラムを実行した皆様の状況をお伝えする意味でプログラム実施者全体の結果として報告させて頂きました。今回の結果も参考に、引き続き健康的な生活を維持して頂けることを願っております。
最後になりますが、本プログラムに参加して頂きまして本当にありがとうございました。
このプログラムに参加された皆様のお力があってこその研究でもありますので、今後ともご協力のほど、よろしくお願いいたします。


以上


慶應義塾大学大学院 健康マネジメント研究科
卒業生 松尾 素一